中古分譲マンションの駐車場は必ず使えるの?駐車場代は必要?

不動産

車を所有している方で、駐車場付きのマンションを買おうと考えている人も多いかもしれませんね。

しかし、その際に重要なのが、マンションに付属する駐車場について事前にしっかり確認することです。

なぜなら、駐車場は物件の選択において非常に重要なポイントだからです。

たとえば、マンションを購入すると、駐車場代が毎月支払われる必要があるため、家計にも影響を及ぼします。

また、自分のライフスタイルと合わない駐車場を選んでしまうと、住んでから不便を感じる可能性もあります。

マンションの駐車場には種類や使用料金が建物ごとに異なるので、各マンションの駐車場システムや特徴をよく理解した上で検討することで、住んでから予期しないトラブルや後悔を防ぐことができるでしょう。

中古分譲マンションの駐車場とは

通常、分譲マンションでの駐車場の取り扱いには、「賃貸方式」と「分譲方式」の2つの方法がありますが、多くの場合、賃貸方式が一般的に採用されています。

特に分譲方式の一種である「専用使用権分譲型」は、権利に関する問題が頻発しており、そのため現在では「賃貸方式」が主流となっています。

賃貸方式

賃貸の場合、駐車場は住民全員で共有するスペースとして考えられており、各住民が一部を借りて使用するイメージです。

毎月、使用するための対価として管理組合に駐車場利用料を支払い、これは通常、マンションの管理費や修繕積立金に充てられます。

分譲方式

分譲方式には、一つは所有権分譲型と呼ばれるものがあります。

所有権分譲型では、駐車場の区画を購入し所有権を得ます。

これは、マンションの一部である専有部分(部屋)と同様に駐車場も自分のものであり、所有者はその区画に関連する諸費用(登記費用や固定資産税など)を支払う必要があります。

もう一つの分譲方式は専用使用権分譲型と呼ばれます。

専用使用権分譲型では、駐車場は共有部分とされていますが、その駐車場を独占的に利用する権利が与えられます。

この形式は、共有部分でありながら住人が自由に使える専用庭やバルコニーと同様に考えることができます。

マンション購入の際は駐車場も確認

車をお持ちの方にとって、分譲マンションをお探しの際に、大切なポイントとして「駐車場の有無やその仕組み」を確認することは欠かせません。

なぜなら、駐車場に関しては物件ごとに種類や料金が異なるからです。

後で「駐車場の利便性に不満が残った」と後悔しないためにも、まずは購入を考えているマンションの駐車場について詳しく理解しておくことが重要と言えます。

今回は、駐車場付きの分譲マンションをお探しの方や、マンション購入時に駐車場についてよくわからない方に向けて、分譲マンションの駐車場について詳細にご説明いたします。

マンションの駐車場は必ず使えるものではない

マンションを購入しても、必ずしも駐車場を利用できるわけではないことを、意外と忘れてしまいがちですね。

駐車場の設置率は自治体によって異なり、住戸数分の駐車スペースが確保されているとも限りません。

ですから、重要なのは、駐車場の利用優先順位を把握していることです。

マンションの駐車場の利用優先順位は、管理組合ごとに異なるため一概には言えません。

しかし、知識がないままマンションを選んでしまうと後悔する可能性があるので、事前に管理規約や使用細則を確認し、駐車場の利用優先順位がどのように定められているかを調べることが大切です。

例えば、以下のような利用優先順位が設定されていることがあります。

<利用優先順位の例>区分所有者(分譲)の1台目、区分所有者(分譲)の2台目、賃借人(賃貸契約者)の1台目、賃借人(賃貸契約者)の2台目です。

この場合、所有者が2台目の車を駐車しようとしても、賃貸契約者の1台目が優先されます。

また、新築マンションでは、駐車場利用権が付与された部屋が優先的に販売され、その部屋の所有者が最初に優先されることもあります。

物件を検討している場合は、駐車場の利用優先順位を確認しておくと良いでしょう。

マンションの駐車場の種類

マンションの駐車場には、平置き駐車場、自走式立体駐車場、機械式立体駐車場の3つのタイプがあります。

平置き駐車場は、通常の路面に車をそのまま駐車するスタイルです。

一般的には屋根がなく、区画が白線で区切られています。

このタイプの駐車場のメリットは、駐車しやすく出し入れもしやすいことです。

また、設置費用が比較的安く済むこともあります。

しかし、雨風などの自然の影響を受けやすいので、車を守るための対策が必要です。

また、スペースに限りがあるため、駐車場スペースが足りない場合は他の方法を検討する必要があります。

それぞれの駐車場の特長や適した用途を理解することで、より便利で快適な駐車環境を整えることができます。

平面(平置き)駐車場

平面駐車場とは、車が通行する道路に面してあり、車をそのまま平らな地面に停めることができるタイプの駐車場のことを指します。

通常、平面駐車場は一般的には屋根がなく、駐車スペースが白線などで区切られているだけの仕組みが多く見られます。

平面(平置き)駐車場のメリット

平面駐車場のメリットは、まず、どんな種類の車でも駐車できることです。

つまり、車種を気にせずに利用できるということです。

平面駐車場では、車道に入って直接駐車するので、駐車スペースに入るための手続きや、出るための手続きが不要という利点があります。

つまり、手続きの時間が短縮されるため、便利です。

また、車を駐車する際に操作や入出庫に時間を取られることもありません。

さらに、平面駐車場ではほとんどメンテナンス費用がかからないため、管理費や修繕のための予備資金を必要としないという利点もあります。

そのため、予期せぬ出費が発生するリスクが低くなります。

平面(平置き)駐車場のデメリット

平面駐車場の一番のデメリットは、屋根がないことによる車の汚れやすさと、雨の日の利便性の低さです。

平置き駐車場は屋根がないので、他の駐車場と比べて車が汚れやすくなってしまいます。

屋根のある立体駐車場と異なり、平面駐車場には屋根がないため、車は雨や塵などから保護されず、自然の影響を受けやすくなります。

そのため、車を清潔な状態に保つのが難しくなります。

さらに、平面駐車場は敷地面積の制約により、設置できる駐車台数が限られることも欠点です。

一方で、平置き駐車場は車台数分の広いスペースが必要となるため、都市部など敷地が限られた場所では、物件の少なさが課題となります。

自走式立体駐車場

自走式立体駐車場とは、商業施設やデパートなどでよく見かける駐車場のことです。

地下や別棟に設置され、複数階にわたる構造を持っています。

車を運転してスロープを上ったり下ったりして、自分で車を運転し、自ら駐車スペースに駐車します。

一般的に大規模な商業施設の一部として設けられており、住宅の地下にも駐車場が設置されていることがあります。

自走式立体駐車場のメリット

自動車の駐車設備には、平面駐車場と自走式立体駐車場がありますが、自走式立体駐車場の利点はいくつかあります。

まず1つ目は、屋根がついているため、雨や日光などの気象条件から車を守ることができ、車が汚れにくいという点です。

次に、機械式立体駐車場と比較して、自走式立体駐車場は車高の高い車にも対応できるという利点があります。

機械式駐車場では、車高が高い車が入庫できない場合がありますが、自走式駐車場であればそのような心配がありません。

さらに、自走式駐車場は維持管理コストが比較的安価であるという利点もあります。

自走式立体駐車場は、屋根のおかげで車が外部の汚れから守られるだけでなく、天候に左右されることなく車に乗り降りする際も快適です。

雨や雪が降っていても安心して行動できるため、荷物が多い場合や小さな子どもを連れているときも心配いりません。

さらに、自走式駐車場は立体構造であるため、必要な駐車スペースを比較的容易に確保することも可能です。

自走式立体駐車場のデメリット

自走式立体駐車場の欠点には、建設にあたり十分なスペースと建設費用が必要という点が挙げられます。

通常、マンションの地下や独立した別棟に設置されるため、一定のスペースが必要となります。

また、運転手自身が車を操縦して駐車したり出庫したりする必要があるため、これによる時間ロスも欠点の一つです。

別棟に立体駐車場が設置されている場合、部屋への距離が遠くなる可能性があります。

また、スロープを上り下りする必要があるため、平面に比べて車の出し入れに時間がかかります。

さらに、高さや幅が制限されているため、大型の輸入車などを駐車できないケースもあります。

機械式立体駐車場

機械式立体駐車場は、機械に操作盤を使って車を出し入れするタイプの駐車場です。

狭い敷地でも多くの車を収容することができるため、都心部などでよく見かける駐車場の形態です。

機械式立体駐車場には、タワーパーキングや昇降方式、ピット式など、さまざまな種類があります。

機械式立体駐車場のメリット

機械式立体駐車場の最大のメリットは、限られたスペースでも多くの車両を確実に収容できるという点です。

通常、平面の駐車場では5台しか置けない場所でも、機械式駐車場では3階分のスペースを確保すれば15台もの車両を駐車できる計算となります。

このため、土地が限られているマンションなどで広く採用されています。

機械式駐車場では、車両が収納されている間は一般の人々が車に近づくことが難しく、また車両の出し入れには専用の鍵が必要となることが一般的です。

そのため、いたずらや車上荒らしの心配が少ないと言えます。

さらに、機械が車両の出し入れを行うため、他の車によるへこみや傷つきの心配もありません。

屋根つきの駐車場や地下に車両を格納する場合は、雨や日光による汚れや褪色を防ぐ効果もあります。

また、機械による自動の入庫・出庫システムにより、盗難などのリスクを大幅に低減することができるのも機械式駐車場の利点と言えます。

機械式立体駐車場のデメリット

機械式立体駐車場のデメリットの一つは、その維持管理コストが高額であることです。

複雑な構造を持つ機械式駐車場ほど、メンテナンスや修理の費用が相当に高くついてしまいます。

その結果、マンションなどに機械式駐車場が設置されている場合、管理費や修繕積立金が通常よりも高額になる可能性があります。

駐車場から車を出し入れする際に時間がかかることがあり、特に雨の日など通勤時間帯には混雑してしまうことも考えられます。

また、機械を利用した駐車場の場合、他の駐車場と比べてメンテナンス費用がかさみ、修繕積立金や管理費が高くつく傾向があります。

さらに、駐車場に近い住戸では、機械の作動音や駐車場への出入口で鳴る警報音が騒々しいと感じることもあるでしょう。

そして、車の出し入れに手間取ったり、駐車可能な車種に制限があったりといったデメリットも考えられます。

マンションの駐車場にかかる費用

分譲マンションを購入する際、駐車場は一般的に賃貸となります。

つまり、駐車場の利用権は所有者が専用で使える権利となりますが、月々の使用料金が発生します。

これは、庭付き住戸やバルコニー付き住戸などと同様で、管理組合に支払いが発生します。

駐車場の使用料金は、物件やエリアによって異なり、数千円から数万円の間で幅広い金額となります。

一部の古い中古マンションでは、平置き駐車場の土地を所有する形態も見られます。

こういった場合、賃貸料はかかりませんが、区画代金や登記費用、固定資産税などの費用が発生します。

購入前には、駐車場の土地上の権利や部屋と駐車場の分離処分を禁止する規約の有無を確認することが重要です。

建物の容積率がオーバーとなる違法建築物となるケースもあるため、不動産業者にしっかりと合法性を確認してもらい、慎重に検討することが必要です。

さらに、駐車場が空いている場合は、管理組合の収入が不足し、住民の負担が増える可能性があるため、注意が必要です。

駐車場付きの物件を探す際には、駐車場の利用状況も確認して安心して選ぶことが大切です。

マンション駐車場によくあるトラブル

一般的なマンションの共用駐車場では、様々なトラブルが発生する可能性があります。

まず、よくあるトラブルとして無断駐車が挙げられます。

他の住民や訪問者による間違いもあるかもしれませんが、意図的であるか否かに関わらず、無断駐車が行われると自分の車を駐車できなくなってしまいます。

このような場合、直接当事者と交渉するのではなく、迅速に管理組合に連絡し、仲裁を依頼することが重要です。

次に、車上荒らしやいたずらといった問題も発生します。

無断駐車の場合は管理組合に相談すれば解決できることもありますが、これらのような問題については自力で対処することは難しいです。

マンションを購入する際には、防犯カメラなどのセキュリティ対策がしっかりしているかを確認することが重要です。

さらに、機械式立体駐車場の場合、機械の故障やメンテナンスによって車が出庫できないトラブルも起こり得ます。

出庫できないことで他の住民に迷惑をかけたり、待ち時間が発生したりする場合もあります。

もし機械式駐車が苦手な場合は、平置きの駐車場を選択したり、月極駐車場を利用することも考えられます。

最後に、マンションを購入した後にトラブルが起きてしまうと、根本的な解決が難しい場合もあります。

そのため、事前に駐車場の状況を確認したり、管理組合に駐車場トラブルへの対策を問い合わせておくことが望ましいです。

まとめ

この記事では、マンションの駐車場について詳しく説明してきました。

マンションの駐車場には平置き、自走式、機械式などさまざまな種類があり、それぞれに停められる車の種類や維持管理にかかる費用が異なります。

ただ、ただ単に空きがあるからといって安易に駐車場を決めるのはリスクがあるということを理解していただけたでしょうか。

マンション購入を検討する際には、駐車場の有無だけでなく、空き状況や駐車場の種類、料金なども注意深く確認することが重要です。

駐車場代だけでなく、住宅に支払う月々の金額と比較して、無理のない支出で生活できるよう注意しましょう。

月々の費用には住宅ローンの返済、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金、駐車場代などがあります。

駐車場の種類や条件が合っていても、駐車場の空きが多い場合は注意が必要です。

無駄に空いている駐車場は管理組合の収入不足を引き起こし、居住者の負担が増える可能性があります。

費用を十分把握した上で、自分のライフスタイルに合った駐車場を選ぶことが重要です。

例えば、家族が複数の車を所有している場合は、周辺の月極駐車場を探すなど、自分の生活スタイルに合わせて駐車場を活用しましょう。

マンション選びの際には、駐車場の種類や料金などよく調べることで後悔しないように心がけてください。

記事で紹介したポイントを押さえて、失敗のないマンション選びをしてくださいね。