マンションを借りたり購入する際には、何階に住むのかということが重要な要素になります。
一般的には、高層階になるほど価格が高くなる傾向がありますが、実際に「住みやすい階」とは、家族構成やライフスタイルによって異なります。
マンションの階数や階層には、明確な定義はありませんが、国土交通省が発表した「長寿社会対応住宅設計指針」では、6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置し、3〜5階の中層住宅にも可能な限りエレベーターを設けることが示されています。
今回の記事では、その定義を参考にして、「2〜5階を低・中層階」「6階以上を高層階」とし、各階層における利点や注意点について説明します。
低・中層階(2〜5階)のメリットと注意点
まずは低・中層階の特徴について、メリットと注意点の両方を詳しく見ていきましょう。
メリット
低・中層階に住む利点としては、他の階に比べて価格が低く設定されていることが挙げられます。
また、外出しやすさも大きな魅力です。
引っ越しやゴミ出しの際の荷物の出し入れがスムーズに行えるだけでなく、ベビーカーや車椅子を使用しての移動も便利です。
もしも自宅にいる時に災害が起こった場合でも、すぐに避難することができます。
また、下の階への生活音を気にする必要もありません。
専用庭がある物件の場合、一戸建て住宅のように子供と庭で遊ぶことも可能です。
注意点
一方で、住む階が低い場合、外部からの視線や騒音に悩まされることがあります。
多くのマンションは、プライバシーや安全確保のために外周に塀を設置していますが、塀を高くしすぎると日当たりが悪くなるため、完全に外から見えない設計にはできません。
また、防犯上のリスクも考慮しなければなりません。
しかし、適度なバランスを保つことで、低・中層階でも快適な生活を送ることができます。
以上が低・中層階(2〜5階)についてのメリットと注意点の説明です。
1階への入居を検討する際に注意すべきポイント
1階に住む場合、他の階よりもプライバシーや安全性を十分にチェックする必要があります。
また、周辺環境によっては、水害のリスクが高くなることも考えられます。
どの階に住む場合でも、自治体のハザードマップを確認することが必須ですが、特に1階の場合は、水害への対策について十分に考慮する必要があります。
低・中層階(2〜5階)の特徴とメリット
低・中層階では、過ごしやすい気温を維持することができるというメリットがあります。
上下に他の部屋があるため、室内の熱が逃げにくくなり、比較的温かい環境が保たれます。
また、高層階に比べて直射日光を避けることができるため、暑い時期でも比較的涼しいと感じることができます。
さらに、1階が駐車場になっている場合、下の階の生活音を気にする必要がないため、静かな環境を楽しむことができます。
また、外出時には1階と同様にスムーズに移動することができ、エレベーターの待ち時間を避けるため、通勤や通学にも便利です。
低・中層階の特徴とデメリット
低・中層階には、下の階の生活音を気にする必要があるというデメリットがあります。
また、上の階からの生活音も気になるかもしれません。
さらに、幹線道路に面している場合、5階までの高さでは車の排ガスが気になることもあります。
周囲の建物によっては、日当たりや眺望の条件も大きく変わるため、立地選びには神経を使う必要があります。
高層階(6階以上)の特徴とメリット
高層階には、素晴らしい眺望と外からの視線が気にならないというメリットがあります。
周囲に高い建物がなければ、カーテンを開けて開放的な空間を楽しむことができます。
高層階のメリットとデメリット
高層階に住むことのメリットは、静かで快適な環境が整えられることです。
低層階と比べて虫の発生が少なく、騒音も軽減されています。
そのため、住環境がよりリラックスできると言えます。
また、高層階では日当たりや風通しも良いですし、前面に建物がなければ日中に照明を使わなくても過ごせます。
バルコニーも日当たりと通気性に恵まれているため、洗濯物がしっかりと乾きます。
ただし、バルコニーの利用条件はマンションの管理規約によって制限される場合もありますので、事前に確認する必要があります。
一方で、高層階にはデメリットもあります。
方角によっては日光が強く室内が暑くなることがあります。
また、風が強いため窓を開けることが制限されたり、ドアにストッパーを使わなければならない場合もあります。
さらに、地震の際には低層階よりも揺れが大きくなるリスクがあります。
エレベーターが停止してしまう可能性もありますので、高層階に住む場合は災害用の備蓄品を十分に準備し、避難経路を事前に確認しておくことが必要です。
最上階のメリットとデメリット
最上階に住むことのメリットは、素晴らしい眺望が得られることです。
広々とした空間で、自宅から美しい夜景や花火大会を楽しむことができます。
また、上に階がないため、上の階からの生活音を気にする必要がありません。
さらに、最上階は日当たりと風通しが良いため、カビやダニの発生を防げるというメリットもあります。
これらの理由から、最上階は人々の人気を集めやすく、他の階と比較しても資産価値が下がりにくいという特徴もあります。
マンションの階層別のメリットとデメリット
最上階のデメリットとは? 最上階の部屋は、人気がありますが、同じ建物内の他の部屋よりも高い家賃や購入価格が設定されることが一般的です。
そのため、立地や間取りだけでなく、他の階層も考慮して検討することが重要です。
さらに、最上階の部屋は外気の影響を受けやすいデメリットもあります。
特に夏場は直射日光の影響で室温が上がるため、冷房費用も高くなりがちです。
どの階層が自分に合っているか?
1階に向いている人 1階に住むと、移動がとても楽で、下の階層の生活音を気にする必要もありません。
そのため、小さな子どもがいるファミリーには最適です。
ベビーカーでの移動もスムーズに行えるため、大きなメリットと言えます。
また、車いすでの移動もしやすいため、高齢者にとっても住みやすい物件です。
また、災害時に外に避難しやすいという特徴もあります。
低・中層階に向いている人 低層や中層階に住むと、エレベーターが混雑している時間帯でも階段を利用することができるので、通勤や通学時に移動のストレスを感じることがありません。
また、家賃や購入価格を抑えたい人にとっても魅力的な階層です。
一般的に、階数が上がるほど価格も高くなりますが、専用庭があるマンションの場合、2階よりも1階の方が家賃や価格が高く設定されていることがありますので、お買い得な物件が多く存在します。
高層階に住むメリットと向いている人
高層階に住むことは、騒音や外からの視線を気にせずに静かな環境で暮らしたい人に向いています。
例えば、女性の一人暮らしの方やセキュリティを重視する方にとっては、侵入されにくいという防犯上のメリットもあります。
ただし、高層階であるからといって油断は禁物です。
屋上から不審者が侵入しようとするケースもあるため、常に警戒する必要があります。
最上階に住むメリットと向いている人
最上階に住むことは、眺望の良さを望む人にとっては最適です。
マンションによっては、最上階は間取りが異なり、部屋が広いケースもありますので、資金に余裕がある人にとってはメリットが多い物件と言えます。
そのため、将来的な売却を考えている方や資産価値の高い物件を探している方にとって、最上階は魅力的な選択肢です。
まとめ
・1階は外出しやすいですが、防犯上のリスクが高いことに注意が必要です。
・低・中層階は室温を一定に保てて快適ですが、上下階の生活音が気になることもあるでしょう。
・高層階は静かな住環境を作りやすいですが、エレベーターが使用できない場合には不便が伴います。
・最上階は資産価値が高く将来的な売却が考えられるため、魅力的な階層です。
これらの特徴を理解した上で、自分に合った住まいを選ぶことが重要です。