不動産購入|高圧線に近い物件のメリットとデメリットを解説

不動産

住む場所に近くに電線があると、人々は住宅や自身の健康について心配になるかもしれません。

電線は、電気を私たちの家に届けるために重要な役割を果たしていますが、高電圧が通る高圧線は、低電圧の電線よりも危険性が高いとされています。

今回は、高圧線の近くに住宅がある場合、住宅や人体にどのような影響があるのか、それに伴うメリットやデメリットを詳しく説明します。

高圧線とは

高圧線と呼ばれるのは、非常に高い電圧が流れる電線です。

発電所で生成された電気は、送電線を通じて高い電圧で変電所に送られ、そこで電圧が調整された後、配電線を経由して住宅に供給されます。

通常、高圧線は鉄塔や送電線を指し、電圧は6,600ボルト以上です。

一方、私たちが一般的に使用している低圧線の電圧は100〜200ボルト程度ですので、高圧線がどれほど高い電圧を扱っているかがわかります。

高圧線が住宅の近くにあるとどんな影響がある

土地の下に高圧線が通っている場所を「高圧線下地」と呼びます。

高圧線下地では、建物の建築制限があります。

つまり、建物の建築が全面的に禁止される場合もあれば、建物の高さが制限される場合もあります。

これは、土地の所有者と電気事業者が協力して安全を確保するための措置です。

高圧線は高い位置に設置されているため、人体への直接的な影響はないと言われています。

しかし、建築制限や高圧線による潜在的なリスクなどの理由から、不動産取引では「嫌悪施設」と見なされることがあります。

高圧線の安全距離は?

電気の存在する場所や空間は一般的に「磁界」と呼ばれます。

磁界は発生源からの距離が離れることで弱くなる傾向があります。

送電線の電圧が高くなると、その設備の規模も大きくなり、その結果、地面からの距離も遠くなります。

しかし、高圧線は高電圧の電力が伝送されているため、接触しなくても感電の危険性があります。

例えば、鉄塔の近くでラジコンやドローンを飛ばす場合は特に注意が必要です。

建築の制約では、高圧線の直下及びその側方3mの範囲内には建物を建てることは許されていませんが、目に見える場所に鉄塔などが存在する場合には、一定以上の距離を取ることで安全を確保することが望ましいです。

高圧線の近くに住むメリットとデメリット

高圧線や鉄塔は、前述の通り、人々に危険を感じさせる建物と見なされるため、嫌われる施設に該当します。

そのため、高圧線が近くにある土地や住宅は一般的に安い価格で取引される傾向があります。

さらに、電力会社からは線下補償料が支払われる場合もあります。

もし高圧線が敷地内の上空を横切っている場合、居住者の敷地の上空を電力会社が利用しているということになります。

その対価として、電力会社は補償料を支払います。

高圧線の近くの住宅は、不動産取引においてはより安い価格で取引されることが多く、経済的なメリットは大きいと言えます。

しかし、建築制限や景観の損失、そして鉄塔の近くでは安全上のリスクがあるという点はデメリットです。

もちろん、鉄塔があっても気にならない人もいるかもしれません。

しかし、心配が残る場合は、他の場所を検討することをおすすめします。

まとめ

高圧線は、低圧線よりも遠くに電気を送ることができる重要な施設です。

私たちの生活には欠かせません。

たとえば、住宅街の近くには高圧線の鉄塔が存在することもよくあります。

高圧線が近くにあると、人々は人体への影響が心配になるかもしれません。

しかし、高圧線による健康被害については、有害な影響を及ぼす確かな根拠はありません。

ただし、高圧線の近くに住むことに不安を感じたまま住み続けると、最終的に引っ越しを考えることになるかもしれません。

したがって、新しい場所に引っ越す際には、参考程度に、近くに高圧線があるかどうかをチェックすることが良いでしょう。