20代でマイホームを購入すべき!?メリットとデメリットを解説

不動産

マイホームを購入することは、将来の人生計画において非常に重要なイベントです。

特に20代での住宅購入は、一般的には若すぎるとされ、他の年齢層と比較して考慮すべきメリットや注意点が存在します。

今回は20代でのマイホーム購入を検討する場合について、メリットや注意点、資金計画の立て方などを詳しく解説します。

20代でマイホームを購入する人の割合

まず、20代のマイホーム購入のタイミングについて詳しく見ていきましょう。

金融広報中央委員会が行った2021年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20代の二人以上の世帯の持ち家率は24.1%です。

つまり、およそ4世帯に1世帯が持ち家を所有していることがわかります。

ただし、この調査は二人以上の世帯を対象にしているため、独身の世帯を含めると持ち家の割合は減ることが予測されます。

したがって、実際に住宅を購入した人々に焦点を当てたデータにも注目してみましょう。

国土交通省の2021年の「住宅市場動向調査報告書」によると、住宅を購入した世帯主の平均年齢と、住宅購入者全体における30歳未満の割合が以下のように示されています。

注文住宅の場合、平均年齢は40.0歳で、30歳未満の割合は13.6%です。

建売住宅では、平均年齢は37.2歳で、30歳未満の割合は16.9%です。

新築マンションでは、平均年齢は39.5歳で、30歳未満の割合は7.0%です。

中古一戸建てでは、平均年齢は43.2歳で、30歳未満の割合は11.7%です。

また、中古マンションの場合は、平均年齢が43.6歳で、30歳未満の割合は6.6%です。

なお、このデータは初めて住宅を取得した世帯を対象にしています。

平均年齢と比較すると、20代の住宅購入者は平均よりも一回り以上若いことがわかります。

また、購入者全体から見た割合も考慮すると、20代でのマイホーム購入は平均よりも早いタイミングで行われることが判断できるでしょう。

20代でマイホームを買うメリット

ここでは、20代でマイホームを買うメリットを見ていきましょう。

ゆとりのある資金計画が立てられる

住宅ローンの毎月の返済額を同じにすると、返済期間が長くなるほど、借りられる金額は増えるでしょう。

一般的な住宅ローンでは、最長で35年間の返済期間が設定されています。

しかし、20代の場合は、35年が経過してもまだ退職前に完済することができます。

つまり、高齢で住宅ローンを組むよりも、資金計画に余裕を持たせることができるメリットがあります。

支払った分が財産として残る

家賃を毎月支払い続けても、自分のものにはなりません。

しかし、早めに住宅を購入すれば、現時点で家賃にかかっているお金を住宅ローンの返済に充てることができます。

これによって、家賃に投資することに比べて住宅ローンを返済することで得られる満足感も高くなるでしょう。

ローンの返済が終われば、購入した住宅はあなたの所有物となり、財産として手元に残ります。

暮らしやすい環境が手に入る

20代は、結婚や子育てなど、家族を持つライフイベントに向けて歩み始める時期です。

特に、一戸建ての持ち家を持っている場合は、様々な点でメリットがあります。

まず、間取りの自由度が高いため、将来の家族の人数やニーズに合わせて、自分好みのレイアウトを作ることができます。

また、広い面積も魅力的で、子どもが成長してもスペースに余裕があるため、快適に暮らすことができます。

さらに、騒音などのストレスを気にする機会が減ることも大きな利点です。

一方、マンションでも、多くの場合、賃貸住宅よりも設備が充実しています。

こうした設備の充実は、より快適な住環境を手に入れるための手っ取り早い方法です。

例えば、共用のプールやジムなどの施設を利用することができる場合もあります。

これらの施設は、ストレス解消や健康促進にも役立ちます。

また、セキュリティの面でも優れていることが多く、安全面の心配を減らすことができます。

要するに、20代の段階で一戸建てやマンションの持ち家を持つことは、出産や子育てを見据えた上での重要な選択です。

持ち家の場合、自由度の高い間取りや広い面積、騒音の心配の少なさといったメリットがあります。

一方、マンションでも設備の充実や安全面の配慮があるため、快適な住環境を手に入れやすいです。

20代でマイホームを買うデメリット

次に20代でマイホームを買うデメリットを見ていきましょう。

十分な融資額を借りられない可能性がある

住宅のローンを借りる際には、現在の年収を基準にして借入額を決めることが一般的です。

その際に重要な指標となるのが、年収に対する返済額の割合である「返済負担率」です。

一般的には、返済負担率が年収の25%以内であることが無理のない返済計画を立てる目安とされています。

例えば、年収が500万円の世帯であれば、毎月の返済額は「500万円÷12ヶ月×25%≒10.4万円」以内に抑えることが重要です。

ただし、20代の場合には上の世代と比べて年収が低いケースも多く、そのため毎月の返済額を高く設定することができない可能性もあります。

そうなると、返済期間を長く取ることができても、必要な融資額を十分に借りられない可能性も出てきます。

ライフプランに不確定要素が多い

賃貸住宅を選ぶ大きな利点は、自由な移動が可能になるということです。

住宅を購入すると、自分のライフスタイルや価値観が変わったときに簡単に引越しすることができなくなります。

人生において何が起こるかを予測することは難しく、特に20代の人にはまだまだ不確定要素がたくさんあります。

若いときには刺激のある都市部に住みたいと思っていても、シニアになったらのんびりとした郊外に憧れるかもしれません。

逆に、老後は便利な都市部に住みたくなるかもしれません。

家族構成が変わるだけでなく、転職や転勤、離婚など予期せぬ出来事に見舞われることもあります。

家庭や仕事の状況が変われば、住まいに求める条件も変わってくるため、マイホームを購入する際には、長期的なライフプランに基づいて計画を立てることが重要です。

上の世代と比べて頭金の貯蓄が少ないケースが多い

20代の方は、年配の世代と比べると、貯金額が少ない傾向があります。

これは、頭金として用意できるお金が少ないためです。

その結果、必要な金額を借り入れても、目標の資金を調達することができない可能性が高くなってしまいます。

また、頭金を用意せずにフルローンで住宅を購入する場合は、頭金を用意する場合と比べて、利息負担が増えるという点にも注意が必要です。

つまり、借入金額が大きくなるため、返済額も増えてしまいます。

これらのことを踏まえると、20代の方が貯金額が少ない理由は、頭金として用意できる資金の少なさと、フルローンで住宅を購入する場合の利息負担の増加が考えられます。

まとめ

マイホームを購入する際には、資金計画について様々なポイントを考慮する必要があります。

特に20代の場合、他の世代とは異なる要素にも注意を払う必要があるため、不安を抱くこともあるでしょう。

20代でマイホームを購入することは、一般的な平均よりも早いタイミングだと言えます。

この点においては、ゆとりを持って長期の返済計画を立てることができる利点があります。

また、支払う家賃総額も比較的小さく収まるため、経済的なメリットもあります。

しかし、他の世代と比較すると、20代の場合は収入や頭金の面から、十分な購入資金を用意できない可能性があります。

そのため、頭金や維持費などについてもしっかりと考慮しながら、資金計画を立てることが重要です。

頭金を貯めるためには、長期的な貯蓄計画を立てたり、副業を始めるなどの方策も考えられます。

また、維持費についても生活費や将来の予算を見据えて計画を立てることが必要です。

20代のマイホーム購入は、将来の安定を考える上で大きな一歩です。

ですが、資金計画をしっかりと立てることで、不安なく新しい生活をスタートすることができます。